日本M&Aセンター

3.M&Aを成功させるポイント

M&Aはご自身の人生の集大成ともいえるイベント。ぜひとも成功させたいものですが、ほとんどの経営者の方にとって会社売却は初めてのことです。慎重になりすぎて問題を先送りしてしまうケースも多いので、まずはM&Aの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

気になる Q&A

Q.M&A後の従業員が心配です。円満にすすめたいのですが…

30人規模の製造業を営んでおりましたが、65歳となり、そろそろ引退を考えております。残念ながら後継者がいないので、M&Aをすることにいたしました。

こちらの都合でM&Aをするので従業員にはなるべく迷惑をかけたくないです。今までと同じような待遇で勤務させてあげたいのですが、買い手がみつかったとして、どのようにすすめればよいでしょうか。
また、従業員の不安を解消させるフォローなどもご教授いただければと思います。
A.一般回答

M&Aの条件交渉によります。買い手からすると従業員を保証する義務はないので、投資にみあっているかどうかが判断となります。多くの場合は、買い手にとっても社員に辞められて収益性が低下するのは避けたいので、現在の待遇がそのまま引き継がれます。

M&Aが発表されると、社員はとても不安になりますので、時間をあけずに、待遇の維持や企業の展望などを公開し、安心させることが重要です。

日本M&Aセンターからのコメント

M&A後の従業員の待遇をご心配されているとのことですが、これは多くの経営者の方が最も心配する内容であると思います。大企業同士のM&AではM&A後に大きなリストラを実施することも多く、そのようなイメージをもって、ご心配をされる方が多いようです。

しかし、一般的にこのような心配は杞憂に終わることがほとんどです。なぜならば、特に中小企業のM&Aにおいては社員一人一人にノウハウや経験が蓄積されています。このため、逆に買主側が「M&A後も従業員が継続して勤務すること」を約束してほしいという依頼をされることがほとんどです。また、契約上においても「M&A時点において雇用している正社員の雇用を維持するとともに、M&A時点の労働条件を実質的に下回らないことを保証する。」という一文を入れることがほとんどです。

とはいえ、M&A交渉において売主にとって有利な条件(例えば、高すぎる価格)ばかりを要求していたような場合には、結果としてM&A後の買主の期待値は高くなっており、従業員に対する過大なプレッシャーにつながることがあります。M&A後の従業員の事を考慮いただくためには、条件交渉でも相手に配慮する姿勢が必要といえます。

最後に、M&A後において従業員に不安を抱かせないための工夫ですが、M&A後すぐにM&Aの事実を公表し、その後、「M&Aの意味」「社員の待遇」「今後、期待すること」などを、買い手と売り手が一緒になって、丁寧に説明することが重要かと思われます。

Q.M&A後の周囲の反応が気になります。

経験者の方にお聞きします。
M&Aで会社を売却しようか迷っています。気になるのは、取引先や同業者へのイメージです。M&A後、周囲の反応はどう変わりましたか?
A.一般回答

私のときは、まだM&Aが浸透しておらず大手の買収のニュースが多かったので、少し悪いイメージがあったような気がします。「いくら儲かったの?」みたいに聞かれたりしました。
まだ若かったこともあり、同じような仲間には冗談半分にこたえる人もいましたが、私の場合はその都度真摯に説明し、誤解をといたので、次の事業でも引き続き取引先のままでいてくれました。

周囲にきちんと説明でき、信頼される関係性を作れるかどうかだと思います。

日本M&Aセンターからのコメント

当社は設立以来25年以上、M&Aのお手伝いをさせていただいております。

10年ほど前までは、マネーゲームのイメージが先行しているなど、M&Aについて悪いイメージで受け止められたといった声をお聞きすることもありました。そのため、取引先や同業者には悪いイメージでもって受け止められないように、売主・買主の両者がそろって「M&Aの目的」「M&A後も取引関係を変えるつもりは無いこと」などを説明に回っていただいておりました。

ところが、近年は中小企業におけるM&Aも定着しており、M&Aの発表を行ったらすぐに、取引先の経営者の方から「おめでとう。M&Aが成約して、成功者への仲間入りだね。当社としても、社長の後継者がいなくて突然廃業するんじゃないかと心配していたから、嬉しい限りだよ!これからも取引を継続させてもらうよ」といったような声をかけていただくことが増えてきています。

なお、M&A後も取引先などとの関係を良好に保つためには、売主様も一定期間会社に残り、取引関係の引継ぎを行うことが極めて有効です。売主様が若い場合は、そのまま継続して経営に関与されるケースも増えてきています。

Q.失敗しないM&A仲介業者の選び方

M&Aの仲介業者を調べています。たくさんあってHPを見るとどれもよさそうな感じで、選べません。失敗したくないので、慎重になってしまいます。

おすすめのM&A仲介業者を教えてください。
また、選んだポイントもいただけると幸いです。
A.一般回答

社名を出すのは控えさせていただきますが、オススメは知り合いからの紹介だと思います。自分が信頼している人からの紹介だと安心できますね。
最終的には紹介でしたが、複数の会社と何回か打ち合わせをして決めました。

私が選んだポイントはズバリ担当者との相性です。M&Aをするしないにかかわらず、こちらの意図を理解して聞いてくれるか、会社に自信をもっているか、等。
やたら押してくる人は苦手でした。

他は、
・実績があるかどうか
・仲介業者への報酬の設定がクリアで納得できるものかどうか
・業界に精通しているか
などあるかと思います。

急ぎの場合があるかもしれませんが、自分が信頼した担当者でしたら、万が一問題があったとしても(事前に避けて欲しいですが)、多少納得できるかと思います。

日本M&Aセンターからのコメント

ご自身の人生の集大成ともいえるイベントにおいて、仲介者を迷われるのは当然のことかと思います。ご検討にあたってのポイントは大きく二つあるかと思います。「1.情報量」「2.実績」です。

「1.情報量」
まず、M&Aは相手が存在して初めて話が進むわけですが、M&A情報を大量に保有している会社に依頼すれば、それだけ成約率が高くなることになります。また、複数の会社が検討してくれた場合には、よりより条件を提示してくれる相手を選ぶこともできます。

「2.実績」
つぎに、M&Aは単純な「モノ」の売買ではありませんので、1件1件のM&Aにおいて解決すべき課題が異なります。M&A実績の豊富にある仲介会社であれば、これらをノウハウとして蓄積しており、オーダーメイドのサービスを受けることができます。

着手金がないことや、M&A手数料の安さを売りにした仲介会社もありますが、総合的な満足度は「シナジーのある相手を見つけられるかどうか」だと思います。例えば、「2億円の売却価格をつけてくれる買い手企業を見つけてくれる仲介会社に2000万円の手数料を支払う」のと、「1億円の売却価格しか提示できない相手しか見つけられない仲介会社に1000万円の仲介手数料を支払う」のとではどちらがよいか、一目瞭然です。売却価格を高くつけてくれるということは、その提携(M&A)に事業シナジー(相乗効果)をより大きく感じているということです。
皆様にはM&Aの最終的な結果のために、上記ポイントを押さえた選び方をしていただければと思います。

ページトップへ