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M&Aコンサルタントの目 ~「私が悪かった・・・」―初めてみせた父の本音~

2018/03/22

約1年前のことです。ある一組の親子にお会いしました。見るからに頑固親父らしい創業オーナーと真面目そうな息子です。
最近、親子でご相談に見えられるケースが増えてきました。

現在、お父様は会長に退き、息子さんが社長をされているそうです。

意外だったのは、社長をされているのは、長男ではなく次男だということです。
お話を聞いていくと、長男も役員として勤務されているとのこと。私が意外そうな顔をしていると、「長男に社長をやらせてみたけど、駄目だったんです」と説明してくださいました。

次男:「結局私が継いだんですけど、うまくいかなくて。私も、もう40歳です。違う道に進むんだったら決断しないといけないと思って・・・。最終的な判断は、父に任せました。」
父:「息子が二人いて、正直どっちかが継げるだろうと思っていたんです。お前がもっとしっかりしないから・・・。」
次男:「僕だって僕なりにがんばったんですよ。分かってくださいよ。」

目の前で親子ゲンカが始まってしまいました。私は見守るしかありません。

しばらくして、落ち着きを取り戻した会長(父)がおっしゃいました。
「いや、私が悪かったんですよ。今思えば、ちゃんと継げる状態にしてあげていなかった。」
初めてきく父の自省の言葉に、息子はとても驚いていました。


創業者の父は二人の息子を抱えて、何を思ったか?

【従業員はどう思っているのか】

その親子の会社には約200名の従業員がいます。
平均年齢は40代後半で、創業当時からの従業員の方もたくさんいらっしゃいます。
現社長(次男)の幼少期を知っている方もいるそうです。そんな従業員の方に、二代目社長(次男)はどう映るのか―。

父:「私は創業者で会社でも年長者だった。従業員はみんな私の言うことをちゃんと聞いてくれる。でも、息子たちには違っていた。
息子だから社長になれたんだ、実力は自分のほうが上だ。そう思われてしまっている。ちゃんと息子に対して協力する体制を作ってあげていなかった。」

【息子の決断】

後日、社長(次男)と個別面談をする機会がありました。
お父様がそんな風に思っていたことは、全く知らなかったそうです。「いつも強気で頑固な父なので、いつも喧嘩ばかりですよ。」と笑っていらっしゃいました。

「父はすごいと思っています。起業して、会社をここまで成長させてきたんです。私も父みたいなリーダーシップがあれば、みんなついてきてくれたのかもしれないですね。でも、私はそういうタイプじゃなくて・・・。
このまま私が社長を続けても、私だけじゃなく、従業員のみなさんにとっても、良くないと思ったんです。従業員の気持ちがバラバラになったら、会社自体も危うくなってしまう。そう考えて、思い切って父に相談したんです。
父には本当に申し訳ないと思っています。子供に継いでもらいたい、そう思うのが当たり前ですよね。でも、父ががんばって創った会社がなくなってしまったら、元も子もないと思うんです。」

【M&Aが親子にもたらしたもの】

会社を譲り受けるには億単位の資金が必要でしたので、MBO・EBO(役員・従業員への承継)という選択肢は消え、正式にご依頼いただいてから約1年後、ファンドへのM&Aが成立しました。
ファンドは魅力的な会社にしか投資しません。そして、ファンドの使命は投資先を成長させることです。
さっそく新しい経営者が派遣され、ワンマン経営から組織経営への転換も始まっています。

最近、久しぶりに社長(次男)にお会いしました。
「父がとても穏やかになったんです。会長に退いても、ずっと心配かけていましたからね。母も喜んでいます。これから何をしようか、いろいろと迷っているんです。まだ、40歳ですからね。」

オーナー家の未来、従業員の未来、会社の未来、それら全てを明るくできる方法のひとつがM&Aです。
オーナー家はもちろん、会社・従業員の未来も明るくする「成長戦略型M&A」を一人でも多くの方に知っていただきたいと思っています。

写真:竹内 直樹
日本M&Aセンター
上席執行役員 事業法人部長
竹内 直樹

プロフィール

日本M&Aセンター 上席執行役員 事業法人部長
竹内 直樹(たけうち・なおき)

2007年入社。年間100件を超えるM&Aに携わり、数多くの企業の存続と成長を支援するとともに、数多くのセミナーや勉強会を通じて、中堅・中小企業やベンチャー企業が一段上のステージへ成長するための「成長戦略型M&A」を提唱している。著書に『どこと組むかを考える成長戦略型M&A──「売る・買う」の思考からの脱却と「ミニIPO」の実現』がある。2016年、事業承継ナビゲーターの取締役にも就任(現任)。

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