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PMIの現場から ~M&Aを「成功」へと導くポイント~

2017/04/03

【PMIを意識しよう】

M&A成約式は新たな門出、スタートラインだというコラムが前回ありました。成約式が終わってほっとしたのもつかの間、次は具体的にPMIを実践していかなくてはなりません。

会社を買うときの動機として、「自力成長に頼っていては、競争に勝てず生き残ることも難しくなる。会社を買ってレバレッジ成長しよう!」…というのは経営者誰しもが考えていることです。
ただ重要なのは買収後、相手の会社との統合と成長を実現するために、何がポイントとなるのかを把握することです。

M&Aを実行するかどうかを判断する2大要素は、以下の通りです。

  • 戦略的整合性(相手企業が保有する経営資源が自社の成長戦略に寄与するかどうか)
  • 経済合理性(リスクを最小限に抑えて投資に対するリターンが得られるかどうか)

しかしM&A実行後、M&Aが成功する(=両社が持続的に発展していく)ためには、組織的な融合が不可欠であり、これはM&A後の実践行動に依存します。M&A後に対処すべきPMI業務は多岐にわたりますが、今日は2つのポイントについてご紹介します。

【ポイント1:様子見は混乱のもと】

M&A後、買い手から新しい経営者が派遣されてからも「組織や種々の制度、仕事のやり方は変えない」「人心が落ち着くまでは何もしない」というケースがほとんどです。一見、無用な混乱を起こさないための気遣いとして、当たり前のように聞えるかも知れません。
しかし、「これから私たちはどうなってしまうのだろう?」「仕事のやり方や暮らしはどう変わってしまうんだろう?」といった不安を抱えた売り手企業の従業員の立場からすると、どうでしょうか?「様子見アプローチ」は、これらの不安を増幅させることになり、場合によってはモチベーションの低下や生産性の低下を引き起こす可能性があります。
買い手企業は、DAY1(デイワン=新体制発足の1日目)に、「何を変えて、何を変えないか」を明確なメッセージとして発信し、変えることについては早期に手を打つことが、M&Aを成功に導くポイントの1つといえるでしょう。

図 譲渡企業の不安や心配を取り除く

【ポイント2:円滑な異文化コミュニケーション】

我々は普段、気心の知れた仲間たちと仕事をしています。通常業務の中で、価値観の共有や組織融合のためのコミュニケーションを訓練、習得する機会は、そうそうありません。「異文化コミュニケーション」という点では、M&Aで初めて体験する企業がほとんどといえるでしょう。
成功しているM&Aの多くは、買い手企業のビジョンや経営方針を繰り返し丁寧に発信し、相互に理解していくプロセスを、早期的かつ意図的につくり出しています。成り立ちや仕事のやり方が異なった集団が融合するための「異文化コミュニケーション」の重要さと困難さを知っているからです。

【まとめ】

業種や規模の大小を問わず、M&A後には以下のような業務や課題が必ず発生します。様子を見る前にまず手を打つことが、M&Aを「成約」から「成功」に導く秘訣です。PMIを円滑に行い、多くの企業にM&Aを成功させてほしいと思います。

<M&A後に発生する主なPMI業務>

  • 新体制による経営会議
  • カーブアウト(事業の切り出しによる譲渡)や対象会社のキーパーソンの引退による業務の引継ぎ
  • 決算の早期化
  • 経営管理資料の作成
  • KPI(重要な経営指標)の設計及び導入
  • 経営体制の整備
  • 将来事業計画(予算)の策定
  • 経営ビジョンの浸透
  • 対象会社社長に対する経営支援
  • PMIノウハウの文書化
写真:竹林 信幸
日本M&Aセンター
PMI支援室
竹林 信幸

プロフィール

日本M&Aセンター PMI支援室 竹林 信幸(たけばやし・のぶゆき)

慶応義塾大学卒業後、外資系コンサルティング会社などを経て2014年に日本M&Aセンター入社。オペレーション改善、M&A支援(主としてビジネスデューデリジェンス)、企業再生、エグゼクティブコーチングなどのプロジェクトに多数関与した経験を活かしてPMI支援を行っている。