好評発売中!『自社の価値を最大化する成長戦略型M&A2.0』
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M&Aで会社を成長させるには買収しかない。そう思い込んでいませんか?
M&Aで会社を成長させるには譲渡か買収か、と問われたら、あなたはどちらを答えますか。多くの方が「買収」と答えるのではないでしょうか。しかし、本書の答えは「譲渡」です。なぜ企業の成長が譲渡で可能になるのか、その理由を著者である日本M&Aセンター 上席執行役員の栗原弘行が語りました。
なぜ、会社の成長=譲渡なのか
これまで譲渡というと、後ろ向きの経営判断、意思決定というイメージがありました。それはM&Aで譲渡する理由の多くが、事業承継を目的としているからです。しかし、ここ数年で会社の株式を譲渡することによって自社の成長を加速させる「成長戦略型M&A」が増えています。「成長戦略型M&A」は、自社単独では獲得できない経営資源を譲渡によって獲得するM&Aです。
当然、買収でも獲得することはできます。しかし、譲渡でも獲得できるということなのです。例えば、最近では「家庭教師のトライ」を手掛けるトライグループが、イギリスの大手投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズに譲渡することで、オンライン教育を充実させ競争力を高める成長路線に舵を切りました。このように、譲渡することにポジティブなイメージを持つ企業が増えてきているのです。
成長戦略型のM&Aは、事業承継型のそれとは違います。事業承継型は自社の株式を100%相手企業に売るというシンプルなケースが多いですが、成長戦略型M&Aは自社を成長させるためにどこと組むか、という発想をします。ですから、必ずしも全株式を譲渡しません。例えばパートナーがファンドの場合、社長が株式を10~49%もち主要株主として関与し続けるケースがあります。譲渡後も社長あるいは役員として残って経営の指揮を執り続けることも少なくありません。新しく獲得した経営資源を活用して加速度的に会社を成長させながら、引き続き経営に腕を振るうことが可能なのです。
今回『自社の価値を最大化する成長戦略型M&A2.0』を刊行した理由
ここ数年、コロナ禍で一時的に落ち込んだものの、M&A件数は増え続けています。M&A関連の助言を行うレコフによれば、1~9月の国内企業のM&A件数は前年同期比17%増の3153件にのぼり、このペースで12月まで増加すると過去最高の件数になる見込みだと言われています。こうした背景には、事業承継に困っている会社の増加があります。中小企業の後継者不在は深刻で、全体の65%にものぼります。従来の事業承継型のM&Aが加速しているのです。
しかし私は、この現状に「M&Aの本質とはなんだろう」と疑問に思ったのです。私の考えるM&Aとは、単に企業を存続させるものではなく、売り手も買い手も双方の会社が成長していくというポジティブな選択なのです。そこで、「会社を成長させるためにM&Aをするという選択肢もある」ということを知っていただくため、本書を書きました。
市場が縮小する今、成長にドライブをかけることが会社を存続させる王道
特に今回、新型コロナウイルスの感染拡大によって、市場が縮小する業界も多くありました。そこでさらに成長した企業と衰退した企業の二極化が鮮明になったのです。これと同じ現象が、これから人口減少によって、あらゆる業界で起きるでしょう。市場が縮小する局面で、もはや現状維持は許されません。同じことを続けていては市場から淘汰されるだけです。市場が縮小する今、成長にドライブをかけることが会社を存続させる王道だと、私は思うのです。成長にドライブをかける戦略の1つがM&Aというわけです。
では、どのようにM&Aを進めればいいのか。本書では、実際の事例をもとに、譲渡で会社を成長軌道に乗せたプロセスを掲載しています。例えば、大手の経営資源を活用してレバレッジをかけた事例、成熟市場の壁をM&Aで突破した事例、ファンドと組んで成長へのアクセルを踏んだ事例など、7つの事例を紹介しています。コロナ後を見据え、次の一手を考えようとしている方にぜひ手に取っていただきたいと思っています。
ただ、M&Aはあくまで企業を成長させるための手段の一つです。当然、M&A以外にも会社を成長させる方法はさまざまあります。ですから、本書を読むことで自社をどう成長させればいいか考えるきっかけにしていただければ嬉しいです。
当社はM&A仲介の会社ではありますが、すべての会社がM&Aを選択すべきと思っているわけではありません。結果としてM&Aで会社を成長させることが自社にとって最良の経営判断だという結論に至ったときに選択していただければいいのです。私たちは、「成長」をキーワードに企業の存続と発展を一緒に考える伴走者でありたいと願っています。そうした存在として当社を捉えていただければと思っているのです。
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日本M&Aセンター 成長戦略部
中堅企業の成長支援に特化することをミッションとして、2019年に設立された。事業承継だけでなく、「成長戦略としてのM&A」の実行・推進から、上場支援、人材紹介、各種コンサルティングまで、中堅企業の成長に幅広く貢献している。